事案に応じた紛争解決手段の選択が重要です。現在、労働局のあっせん、大分地方労働委員会のあっせん、裁判所の労働審判、裁判所の調停、保全、本裁判といった解決手段があります。また、社会保険労務士会でも、調停の手続を用意しているようです。
労働局や大分地方労働委員会のあっせんは、費用がかからず、比較的早期に手続が開かれ、1ないし2度の手続で結論が出るといった長所を持っています。ただし、あくまで、話し合いをベースにした手続ですので、相手方があっせんに応じなかったり、あっせんの手続に出てきても、あっせん案に納得しなかった場合は、手続はそこで打ち切られます。
この対局にあるのが、裁判所の本裁判です。相手方が、裁判に出て来ようが、来まいが、裁判は進みます。むしろ、何も言わずに第1回の裁判を欠席しますと、相手方の言い分を認めたことになって、負けてしまいます。複雑な事案では、何回も法廷が開かれ、たくさんの証拠書類が提出され、証人の取調がされることもあります。
当然のことながら、あっせん等に比べて費用もかかれば、時間もかかります。ただ、最大の特徴は、相手方がなんと言おうと,裁判所が証拠に基づいて事実を認定し、法律等を当てはめて,結論を出すということです。この中間にあるのが、労働審判で、裁判所で行う手続であり、証拠書類の提出や証人の尋問等も予定されていますが、手続は3回の審理で終了します。3回の審理で当事者間で合意ができれば、それで手続は終了ですが、話しがまとまらない場合は、裁判所が結論を出します。この結論に納得しない当事者が異議の申立をすると、通常の裁判に移行してしまいます。また、時間と費用がかかることになります。ただ、当事務所の経験では、労働審判でほとんどのケースが解決しており、通常の裁判に移行したものはほとんどありません。
以上のとおり、解決手段はたくさんありますので、その事案が事実関係や法律関係で極めて複雑な事案なのか、相手方に話し合い解決の気持ちがあるのか、多少思い通りでなくても早期解決を希望するのか等々の要素から、適切な解決方法の選択が重要であり、これもまた、これらの手続に精通する弁護士への相談が一番大切ということになります。
弁護士費用について
基本的には、事件の依頼者本人に用意してもらうことになりますが、不当解雇で給料の支払いが無く、当面生活費も無いといったケースでは、法テラスの民事法律扶助の制度を利用することもできます。比較的安価な費用で、労働審判等の依頼もでき、しかも弁護士費用は、法テラスが立て替えてくれ、依頼者は月額3,000円ないし1万円程度を法テラスに分割で返せば良いので、手続費用をさほど気にすることなく、労働審判等の手続をとることも可能です。詳しくは、当事務所の弁護士におたずねください。
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